- 夫が気持ちわかってくれない
- 私の考えすぎなのかな
- 実はおかしいのは私の方?
夫の不倫やモラハラで心が壊れそうな毎日。
話し合おうとしても「お前の考えすぎ」「俺だって辛いんだ」と言われたら、何も言えず、心のやり場がない方も多いでしょう。
夫の心が見えない。私が求めすぎなのかな…
求めすぎじゃないよ。夫がそう思わせてるんだ。
自己愛の強い人間は、自分を守るため【 ガスライティング 】という手法を使い、相手の現実感覚を狂わせます。
ガスライティングを受けると頭が混乱し、「悪いのは私」いう認識に陥りがち。
ハッキリ言います。ガスライティングは精神的DVです。
この記事では、元サレ妻で現夫婦心理カウンセラーである筆者が、夫婦間におけるガスライティングの手口と対処法を解説します。
筆者自身もかつて、不倫していた元夫のガスライティングにより、自分を見失いそうでした。一番わかり合いたい人に感情を否定されるほど、苦しいことはありませんよね。
手口や意図を知り、自身の心を守っていきましょう。
ガスライティング|相手を洗脳する精神的DV
DVというと、殴る蹴るなどの行為を想像する人が多いですよね。
しかしDVは目に見えるものだけではありません。他者の心を意図的に傷つけることも、立派なDV。
ガスライティングは精神的DVの一種です。
あからさまに攻撃せず、言葉巧みに相手を洗脳し「おかしいのは自分なんじゃないか」と思わせます。
ガスライティングは、職場、家庭、友人間など、あらゆる場面で起こるもの。
特に夫婦間では、ガスライティングの被害が深刻化しやすい傾向にあります。
夫婦間のガスライティングが深刻な理由
- 閉鎖された空間
- 加害者側の外面の良さ
- 加害者への愛情が洗脳を加速
- 離婚されるのではという脅迫概念
このガスライティングは、自己愛人間が好んで使う手法。加害者自身も無意識に行います。
歪んだ自己愛を抱える人間。空想上の「イケてる自分」に過剰な愛を持つ。共感性がなく他者を傷つけても平気なくせに、他者承認を異常なほど欲する。自己愛性パーソナリティ障害と診断されることも。
陰湿かつ巧妙に洗脳し、被害者自身DVを受けている現実を認識できません。それどころか、自分を責める始末。
不倫やモラハラで心に傷を負っているのはあなたなのに、さらに自分を責めては、心が崩壊して当然です。
見えない傷だからこそ、深さがわからずじわじわ病んでいくよね。
夫婦間のガスライティング【真の目的】
本来夫婦は支え合って生きていくもの。
しかし自己愛人間にはその感覚がありません。それどころか、守るべき家族の犠牲の上に、自分のエゴを築きます。
自己愛人間のエゴとは「自己陶酔に浸ること」。これが彼らの生きる原動力。
- 不倫相手との甘い時間
- 他者からチヤホヤされる状態
- 不当な扱いしても縋りつく妻 など
「自己陶酔を邪魔されたくない!悪者になりたくないし責任も追いたくない!」
だから相手の弱みや劣等感につけ込み、心をコントロールすることで、責任の所在をあなたにすり変えようとします。
疑いの対象を相手自身に向かせれば、彼らは邪魔されず、悪者にならず、責任を負わず自己陶酔に浸ることができるのです。
夫婦間のガスライティング【6つの手法】
では夫婦間のガスライティングは、どのように行われるのでしょうか。
具体的な手法は以下の通り。
手口1:嘘を事実かのように話す
不都合な事実は徹底的に隠し、まるで真実かのように毅然とした態度で嘘をつきます。
例えば不倫でどれだけ黒に近い証拠がでても、決定的ではない限り認めることはありません。
普通嘘がバレそうなら、動揺しそうなものだけど…
自己愛人間は動揺を一切見せないんだ。
ポーカーフェイスで堂々と嘘をつくため、「本当のことを言っているのかも」「私の考えすぎなのかな」と自分の感覚を疑いはじめます。
時には、事実の中に細かな嘘を混ぜ込むことも。何が真実で何が嘘か、判別が困難です。
冷静、堂々、感情見えず、時には威圧的な自己愛人間の姿に、恐怖心を覚える始末。それ以上の追及の言葉は奪われてしまいます。
手口2:相手の感情を否定する
さらに確信に踏み込まれると、相手の感情を否定します。
- そう思ってるのはお前だけ
- 気にしすぎなんじゃない?
- 夫婦ならこんなこと普通だよ
妻の感情を「気のせい」「ちっぽけ」扱い。
苦しんでいる妻をよそ目に、平然とした顔で自分だけ日常生活を送ります。
不倫やモラハラ、また夫の感情が見えないと、感情が荒れて当然。
それなのに「冷静な俺は大人」で、怒ったり悲しんだりする妻を「幼稚な人間」かのように蔑むことも。
幼稚なことしてるのは夫なのに。
悲しみの中、「こんなことを気にする自分はおかしいんだ」「私が未熟なんだ」という感覚に襲われます。
手口3:論点をすり替える
都合の悪い状況に直面すると、全力でとぼけたり、論点をすり替えようとします。
- そんなこと言ってない
- そんなつもりで言ってない
- そんなこといちいち覚えてない
- 勝手にスマホ見るのは犯罪だよね
- 干渉する癖やめた方が良いよ
とぼけて話を曖昧にしつつ、話の焦点をいつの間にかシフト。
こちらは動揺し感情も高まっているため、冷静さを失います。相手の言葉に反論などしていくうち、論点がすり替わったことさえ気付きません。
「何の話してたんだっけ」状態です。
手口4:罪悪感を植え付ける
自分の責任から逃れるため、相手に罪悪感を植え付けます。
- 俺だって辛いんだ
- 自分は悪くないと思ってる?
- ずっと俺は我慢してたんだ
- お前の〇〇なところが苦痛だった
- こんな状態じゃ仕事にも集中できない
鬱っぽさを演じ、いかにも被害者は自分かのように振る舞います。
優しく愛情深く共感力の高い妻は、「この人も苦しんでるんだ」「自分がこの人を変えてしまったのかな」と思い、これ以上強く言うことができません。
しかしこれこそが自己愛夫の罠!彼らはあなたの共感力の高さを熟知しています。
一切の責任から逃れ、自己陶酔を続けます。
手口5:劣等感を刺激する
自己愛人間が自分を守るとき、相手の劣等感を刺激する言葉を意図的に選びます。
相手を効率的に弱らせ、反抗する気力を奪いつつ、自分の正当性も主張できるから。
- もう女としては見れない
- お前とはそういう気になれない
- お前としててもつまらない
- 精神的に自立したら?
- 〇〇さんは仕事もできて綺麗でスゴイ
妻に恥の感情を植え付け自尊心を奪う。それと引き換えに、自らの自尊心を養います。
愛する夫から否定されれば、自分の存在価値を見失うもの。「自分が原因なんだ」「私に魅力ないからダメなんだ」と、自分を醜くちっぽけな存在に感じ、反論する気力も起きません。
不倫の場合は特に「女には愛情注ぐのに私じゃダメなんだ」と自尊心がズタズタに。
失われた自尊心を埋めるため、さらに自己愛夫からの愛を求め、執着が強まります。
共依存の一途です。
手口6:第三者を味方につける
自己愛人間は妻を悪者に仕立て上げることで、第三者を自分の味方につけようとします。
「醜い自分」を隠し通したい自己愛人間は、不倫が知られるのは阻止したい。
だから「離婚は俺が原因ではない」「むしろ俺は被害者だった」と周囲の人までも洗脳します。
- ヒステリーな妻だった
- 俺には自由が一切なかった
- ずっと監視されてて辛かった
- 俺はこんなに頑張ってた
- 仕事で疲れてるのにこんな発言された
特に厄介なのが、事実を編集して伝える場合。
- 物事の一部分だけ切り取る
- 時系列がバラバラ
- 細部をぼやかす
重要な部分はひた隠しにし、鬱っぽさを演じながら妻の具体的な言動を誇張。
不倫がなければ一切しなかったこと、挑発がなければ一切言わなかったこと。それら自分に不都合な部分は全てカットし、「かわいそうな俺」に好都合な事実だけ取り上げます。
自己愛人間は外面が良いため、聞いた人も信じてしまいがち。
- そんなの離婚になって当然だよね
- 彼だって相当辛そうだったよ
- あなたの頑張りが足りなかったんだよ
- 相手に求めすぎだったんじゃない?
あなたがいくら夫の不当性を伝えようと、「あなたに問題があったから」と片づけられる始末。
このような第三者は、フライングモンキーと呼ばれます。
フライングモンキーは、自己愛人間の親・友人・職場の同僚など共通の知人。
ずっと苦しみの中必死に戦ってきたのはあなたのはず。
なのに悪者扱いされ、他人からも理解されない状態はとても辛いですよね。
「私は誰にも理解してもらえないんだ」と、関係を絶った後もなお苦しみが尾を引きます。
ガスライティング被害を受け続けた末路
ガスライティングは他人に自分の感情をコントロールされている状態。
受け続けるほど自尊心は失われ、気力・思考力が吸い取られていきます。
- 私が求めすぎなのかな
- 私は自分のことしか考えてないのかな
- 私は誰からも必要とされていない
- 私は醜くて価値がない
- 自分の感情がわからない
愛する夫にあなたの感情や存在を否定されるほど辛いものはありませんよね。
でも本当に一番あなたを苦しめているのは、自分で自分を信じられない状態。
ガスライティングは、夫の心の問題を、被害者であるあなたが責任を負うように仕向けられた虐待です。
あなたにはしっかり価値がある。人間味があって、優しさがある。自分を無価値に感じるのは、ただ「夫にそう思わされている」だけのこと。
自分を生きる感覚がなくなれば、本当に大事なものを見失う結果にもなりかねません。
- 一生不倫やモラハラと共存
- 性格の不一致にされ捨てられる
- DVを普通のことと思い込む
- 誰も信用できない
- 他人との距離ができる
- トラウマや鬱になる
- 愛のない家庭で一生を終える
- そんな家庭で子どもを育てる
- 子どもをDVの被害者にする
- 子どもに自己愛の性質が連鎖
私が自分の感覚を失えば、犠牲になるのは子どもなんだ…
本当に大切な人を、被害者にも次の加害者にもしてはいけません。
そのために、あなたの脳の操縦席には、あなた自身が立ってなきゃいけないんです。
夫婦間のガスライティングへの対処法
ガスライティングの目的は、「あなたを混乱に陥れ、現実感覚を狂わせること」。
ということは、混乱を見せず、現実感覚をしっかり保てれば、自己愛人間の作戦は失敗です。
でも明らかにおかしなことを言われたら、感情が荒れて混乱しちゃうよ。
ましてや夫として家族として相手に愛情があれば、一層困難を極めます。
ポイントは、意図に気づき、跳ね返し、自分を信じること。
具体的には以下の通りです。
対処法1:知識をつける
まず、自己愛人間およびガスライティングの知識をつけることが必須です。
自己愛人間にはどのような特徴があり、言動の裏にはどのような意図が隠されているのか。
これらがわからなければ、卑劣な言動をそのまま自分のものとして受け取る羽目になります。
- 自己愛人間の特徴
- 攻撃的な言動の意図
- 洗脳行動のパターン
- 攻撃的な人格になった理由
- 自己愛人間の弱点 など
そのため、知識を得ることで相手を客観視しやすくなり「自分が悪いわけじゃない」という自己感覚を保つことにつながります。
自己愛人間について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
対処法2:言動の意図を把握する
次に、相手の言動の真の意図を把握することです。
- 感情を否定する発言
- 自尊心を下げる発言
- 無口・無視・感情のない態度
- あなたのせいと思わせる発言
- 鬱っぽい態度
- たまに見せる優しい態度
それら言動の裏には、必ず自己愛人間が必死で隠している「真の意図」が存在します。
その意図に気づかなければ、優しいあなたは「私がおかしいから」と純粋に受け止めがち。
しかしそれでは自己愛人間の思う壺。
一切悪者にならず、自己陶酔を守り抜きたい。だからこいつに問題があると思わせ、黙らせよう。
この本心を絶対忘れてはいけません。
そして「これは洗脳だ。私を操作しようとしてるんだ」と呪文のように頭の中で唱えるようにしてください。
対処法3:戦わない
あなたの言動や感覚を否定されれば、つい動揺して反論してしまいますよね。
それは当然の行動。不倫やモラハラ、不当な発言であなたを痛めつけてるのは自己愛人間の方ですから。
しかし彼らの発言は、あなたを混乱させ、丸め込むためだけのもの。
真実かどうかなんて関係ありません。
どれだけ論理的に説明したり感情を伝えても、話が通じないわけだ。
戦うだけ無駄なのです。
ならばあなたにできることは、混乱を見せないこと。
相手の言動で感情が変化したり、落ち込んだり、動揺する姿を見せれば、「簡単にコントロールできる存在」「弱いやつ」と思わせます。
- あなたはそう思ってるんだ
- 私はそんなつもりで言ってないよ
- それは考えすぎだと思うよ
- あぁ…それはできない
怒りも悲しみも見せず、冷静に攻撃を跳ね返す。
そうすることで、「あれ?何か違うぞ…」と相手の調子を狂わせます。
さらにあなたの不当性を突いて攻撃してくるかもしれませんが、挑発には一切乗らない姿勢が大切です。
「あなた自己愛性じゃない?」と指摘するのはアウト。彼らの心の傷に触れ、あなたを一層敵視します。
対処法4:記録する
自分を省みることのできるあなたは、きっと優しく共感力の高い素敵な方。
彼らへの愛情ゆえ、「まだ歩み寄る余地があるのでは」と期待してしまうのが本音ではないでしょうか。
だからわかって欲しくてつい反論。感情訴え玉砕。さらに病む。
私がそうでした。
期待は無駄だと頭では理解できても、心がついていかないんだよ。
ここが一番の課題と言っても過言ではありません。
そこでやってほしいのが、対処法1・2により、自己愛人間の性質を自分に落とし込み続けること。
合わせて、彼らの言動を毎日、詳細に記録することです。
記録するメリット
- 自分の感情を吐き出す場になる
- 彼らの性質を客観視できる
- 嘘やモラハラの証拠になる
混乱を見せないためにも、感情の吐き出し場所は必ず必要。
毎日日記をつけ、誰にも見せず、心のあるがままに感情を吐き出す作業はとても大切です。
また、今すぐ彼らへの期待を捨てることが難しくても、本質と向き合い続ければ必ず見えてくるものがあります。
言動を毎日記録することで、後から見返した際に、
- この発言は罪悪感を植え付けようとしてたんだな
- この発言は自分の問題を私に投影しているだけだな
と、次第に客観視できるようになるはず。
さらには日記に合わせ、ボイスレコーダーなどのリアルな音声も有効に働きます。
近い将来の来るときに備え、公の場で現実をもって対抗できる術になるはずです。
対処法5:自分の感覚を信じる
一番大切なのですが、自分の感覚を信じましょう。
ガスライティングによりあなたの認知が操作されるとき、必ず初めに違和感を感じるはず。
- なんでこれが通じないの?
- 絶対こんなのおかしいよ
- 悪いことをしているのは夫なのに
これらの違和感を巧妙にゴリゴリ押さえつけられた結果、「自分がおかしいのかも」と認知が歪む。気力や思考力が奪われ、感覚が麻痺。
問題の焦点を自分に当ててしまうのです。
でも夫の言葉に惑わされそうになる。何が普通かわからなくなるよ。
自分の中だけで解決する必要はないよ。
自分ひとりでは、どうしても自己愛夫の洗脳にハマりやすくなりがち。主観が入ってしまうから。
そこで、自己愛夫と関わりの薄い第三者に話すことが有効。絶対的な味方になってくれ、当たり前の感覚を持った、本当に信頼のできる人です。
私も元夫の洗脳に引っ張られそうになるときが何度かありました。
ですが家族や友人、まともな感覚を持った人たちの存在に、本当に救われたのを覚えています。
自己愛夫の関係者は、フライングモンキーの可能性があるため要注意!感情受け止めてくれる、無関係な他者に話すこと。
まとめ|ガスライティングの手法と目的を把握して自分の感覚を信じるべし
不倫やモラハラなどで不当な扱いを受けているにも関わらず、「私がおかしいのかも」と自分の感覚を疑う状態は異常。
ガスライティングを受けている可能性があります。
- 嘘を事実かのように話す
- 相手の感情を否定する
- 論点をすり替える
- 罪悪感を植え付ける
- 劣等感を刺激する
- 第三者を味方につける
ガスライティングを受け続ければ、自己感覚を見失い、トラウマや鬱症状、さらには子どもにまで自己愛が連鎖する結果に。
本当に大切なものを気付かぬうちに壊してしまいます。
ガスライティングは、立派な精神的DV。
見えない傷を過小評価してはなりません。
混乱を見せず、毅然とした対応が肝心です。
- 知識をつける
- 言動の意図を把握する
- 戦わない
- 記録する
- 自分の感覚を信じる
辛い苦しい悲しい、こんなのおかしい。
あなたは間違ってないし、優しくて、他人の気持ちがわかる、とても素敵な人。価値がないのは自己愛人間の方なんです。
あなたの誠実さを利用する者から、どうかあなたの心、守ってくださいね。
価値がある!