- 夫が不倫してから私を無視する
- 一方的に拒絶されて辛い
- 私の存在価値って何だろう
不倫をしたら、「悲しませてごめんなさい」「もう絶対しません」と反省するものと普通は思いますよね。
しかし謝るどころか、妻を無視や避けるなど、わざと冷酷な態度をする夫も多いもの。最愛の人からの「お前要らない」の無言メッセージは、いとも簡単に人の心を壊します。
私がダメな妻だから無視されるんだよね…。
それは違う。無視する理由はそこじゃないよ。
不倫夫が無視するのは、妻に問題があるからではありません。自分の問題から逃げたいから。
この記事では、元サレ妻で夫婦心理カウンセラーの筆者が、不倫夫が妻を無視する心理について解説します。
筆者自身、不倫していた元夫に虫ケラのような扱いをされ、精神が破壊寸前でした。
あなたは決して無価値なんかじゃありません。本当に無価値なのは誰か。しっかり覗いていきましょう。
不倫夫が妻を無視する手法
不倫に苦しむ妻を、無視や見下しなどでさらに痛めつける。そんな夫は、自己愛人間の傾向があります。
歪んだ自己愛を抱える人間。空想上の「イケてる自分」に過剰な愛を持つ。共感性がなく他者を傷つけても平気な反面、他者承認を異常なほど欲する。自己愛性パーソナリティ障害(NPD)と診断されることも。
他人の痛みに興味がないため、不倫がバレたところで反省することはありません。
それどころか、妻に無価値感を植え付け、横柄な態度を加速させます。
無価値感を植え付ける手法
- 会話を拒絶
- 身体に触れられるのを拒む
- 同じ空間を避ける
- 目を合わせない
- 睨みつける
- ひたすら無関心
- 嘲笑うような喋り方
- 笑わない(感情の閉鎖)
- 軽蔑する目つき
- 話し合い中だんまり
冷酷で虫ケラのような扱い。「お前なんかに興味ない」と言わんばかりの態度。
子どもにまで無関心な不倫夫もいますが、子どもには優しく接し、妻にだけ無視を貫く夫も多いでしょう。
また、外では人あたり良く信頼感が高いのに、家では見下し全開な不倫夫も。
その差がさらに無価値感を強め、「私が夫をこんな態度にさせているのでは」と自己否定に陥ります。
しかしその感覚こそが、自己愛人間の罠なのです。
不倫夫が妻を無視する心理
相手を傷つけたら「悪かったな」と反省するのが、当たり前の感覚を持った人間。しかし自己愛人間に当たり前の感覚はありません。
彼らは不倫という罪を犯しながらもなぜ、妻を虫ケラのように扱えるのでしょうか。
そこには彼らの身勝手な心理が隠されています。
心理1:妻が悪いから仕方ない
自己愛人間には「自分が悪い」という感覚がありません。「悪いのは妻」と信じ込んでいるから。
- 俺を否定する妻が悪い
- 自分勝手な妻が悪い
- 女らしくない妻が悪い
- 感情的で幼稚な妻が悪い
- 俺を制限する妻が悪い
「悪いのは妻、自分は被害者」だと本気で思い込んでいます。
だから彼らからすれば無視や見下しは仕方のないことであり、むしろ正当という思考です。
心理2:妻は俺より下である
自己愛人間は自分を特別な人間と思っています。そのため、周囲の人間を見下しながら生きる傾向に。
特に不倫中は妻に対する見下しが顕著です。
外の異性から求められることで、「俺はモテている」「男として素晴らしい」と自惚れに拍車がかかるから。
- どうせ俺に嫌われたくないだろう
- どうせ俺から離れられないだろう
- どうせ俺が好きなんだろう
- どうせお前には何もできやしない
- お前より俺の方が格上
- お前は俺に愛されるに値しない
- お前なんて簡単に丸め込める
「妻にも不倫相手にも愛されてる俺、最強!」状態。
家族のために必死で不倫と戦う妻を、「俺に縋る者」として見下すことも。
誠実で思いやりのある妻は、自己愛人間からしたら「弱者」であり、「思いやる価値のない対象」です。
心理3:俺を否定する者は敵
自己愛人間はプライドが非常に高いため、自分を否定する者を嫌います。
「自分は正しい」と信じて疑わない彼らにとって、「正しくない自分」を自覚することは耐え難い苦痛。
だから「正しくない自分」を突きつけてくるあなたを敵認定します。
否定したいわけじゃない。ただ何時に帰るか聞いてるだけなのに。
当たり前の会話でさえも「お前正しくない」と言われてる感覚なんだ。
- 行動を聞く
- 不倫やめてと訴える
- 感情の理解を求める
- 子どものこと考えるよう促す
- 正論を突きつける
これら全て自己愛人間にとっては自分を否定されている感覚。「攻撃された」と捉えます。
自分への否定を恐れ警戒心バリバリ。常に臨戦体制で睨むような目つき。
敵への攻撃や無視は正当と思うのです。
自己愛人間に対し、人格否定や感情的な反論はNG。『自己愛憤怒』という激しい怒りに変わり、攻撃が激化する。
心理4:自己陶酔の邪魔をされたくない
自己愛人間の生きがいは、自己陶酔に浸ること。
自己陶酔をうまく満たしてくれる不倫相手は、自己愛人間には手放せない存在です。
- チヤホヤしてくれる
- 性欲を満たしてくれる
- 刺激を与えてくれる
- 何も考えず甘えさせてくれる
- 自分を否定せず受け入れてくれる
好都合な存在である不倫相手に対し「これぞ本物の恋愛だ」と思い込む不倫夫も多いですが、自己陶酔を得るための道具に過ぎません。
そして、お気に入りの道具の使用を制限するあなたは、敵であり有害な存在。黙らせるため、無視や見下しで威嚇します。
不倫夫が妻を無視する真の目的
不倫夫が妻に対し無視や見下しなどをする裏には、自分を守るためのある目的が隠されています。
目的1:罪悪感から目をそらすため
無視や見下しなどを行う最大の目的は、自分の中の罪悪感から目をそらすこと。
彼らは罪悪感や劣等感など、自分に対する負の感情を受け入れることができません。常に「イケてる俺」を実感していないと耐えられないから。
そこで、不倫により本来自分が感じるべき罪悪感を、無視という手段で妻に移し替えます。
「悪いのはお前」を植え付ければ、自分は罪悪感を感じることなく「イケてる俺」のままでいれます。
「私が悪いことしたのかな」と自分自身を疑う妻を見て、「やはり自分は悪くない」と正当化。
目的2:優位に立ってコントロールするため
無視のもう一つの目的は、自分が優位に立って妻をコントロールすること。
罪を咎められたくない、責任を負いたくない、「悪い自分」を晒されたくない。そんな不倫夫は無視することで妻を萎縮させ、自尊心を吸い取り、戦う気力を奪います。
- 私はダメな人間
- 夫に歯向かえばもっと嫌われる
自分自身を責める妻を見て、「こうすれば丸め込める」と学習。
さらにパワーを強化させ、自分が攻撃されない状態を作り上げます。無視は一種の脅しみたいなものです。
無視なんて卑怯だよ。話し合えばいいのに。
話し合うことを避けるために無視してるからね。
話し合いやあからさまに妻を責めれば、「悪い自分」を晒すリスクが伴うもの。自分に自惚れていたい彼らにとっては避けたい事態です。
だから無視という消極的かつ陰湿な方法で、妻に恐怖心を植え付けます。
「イケてる俺」を守りながら、妻の攻撃を封じ込めるために。
【 無視 】
あからさまな悪者にはなりたくない不倫夫が、自分を守るために行う精神的DV。
不倫夫による無視が及ぼす影響
無視は暴力や暴言などのようなあからさまな攻撃ではないため、「これくらいのこと」と思ってしいまいがち。攻撃している感覚も、されている感覚も実感しにくいものです。
本当は、目には見えない重傷を負っているのに。
甘く見てはいけません。無視は、立派な精神的DVです。
影響1:自分の存在価値を見失う
無視をされると自分の存在を否定された感覚になります。特にそれが最愛の人となれば、そのショックは計り知れません。
女としてはおろか、人間としても扱われなくなり、「私なんて価値がない」という思考に。
見えない傷だからこそ深さもわからず耐え続けてしまい、いつの間にか心も体も崩壊。
自己否定からさらに不倫夫の愛を求め縋りつき、見下し態度が強化され、自尊心が傷つき自己否定がまた深まる。
蟻地獄のような共依存のループです。
影響2:自分に問題があると思う
無視を受けると、あなたは疑いの目を、夫ではなく自分に向けてしまいがち。
- 私が何か悪いことしたのかな
- 私が魅力ないからいけないのかな
- 私が夫を追い詰めているのかな
おかしいのは不倫夫のはずなのに、自分を責めて自己嫌悪に陥ります。
これは『ガスライティング』という自己愛人間の戦略。
あからさまな攻撃はせず、相手に罪悪感や劣等感を植え付け「おかしいのはお前」と洗脳します。
無視はガスライティングするにあたって、非常に有効な手法です。
影響3:判断能力がなくなる
無視を受け続けるほど、正常な判断能力がみるみる奪われていきます。
- 不倫夫が正しく思える
- 夫を失えば自分の人生が終わると思う
- 何が本当の幸せかわからなくなる
- 子どもの心より夫の顔色ばかり見る
- 行動を起こす気力がなくなる
恐怖と支配の関係から、真の安心感や愛が生まれることはありません。なのに夫を失うことを恐れ、嫌われまいと顔色伺いに徹します。
あなたが必死で繋ぎ止めているものは、家族の心を平気で切り裂く凶悪犯なのに。
それを続けるほど、本当に守るべきものが見えなくなっていきます。
影響4:子どもにDVを見せ続ける
母親を無視する父親と、
次第に弱っていく母親。
前述の通り、この状況は大袈裟ではなくDVです。
「私さえ我慢すればいい」と無視に耐えることは、子どもに面前でDVを見せつけるのと同じこと。
これが毎日、何年と続けば、子どもの心が大きく傷つくのは容易に想像がつきます。
しかし洗脳により弱った妻は、そんな判断能力さえ無くなっていくもの。
- 両親揃ってるのが子どものため
- 子どもには良い父親だから
- 子どもに寂しい思いをさせるから
さまざまな理由を作り現状維持に徹してしまい、面前DVが日常になっていきます。
影響5:子どもの自己愛を壊す
面前DVだなんて大袈裟だと思うけど…。
決して大袈裟じゃないんだ。
恐怖と支配で成り立つ家庭環境は、子どもの自己愛を破壊します。
- 自分は両親から愛されていない
- 良い子にしてないと愛がもらえない
- 母を慰めれば自分の居場所を感じれる
- 支配的になれば自分を守れる
- 人が自分から離れるのではと怖くなる
- 自分はいなくていい存在
自己愛が壊れれば、将来の自己愛人間、もしくは自己愛人間の犠牲者になりかねません。
他人を平気で傷つけるか、自分を傷つけてまで他人からの愛に執着するか。
「子どもがまだ小さいから」こそ、健全な愛で満たせる環境づくりが必要です。
不倫夫の無視に左右されない思考
無視の辛さから抜け出したくても、何とも思わないなんて無理難題。かといって「やめてほしい」と訴えたところで、傲慢な態度が悪化するだけ。
あなたが無価値感を感じたとき、そのまま受け止める必要はありません。以下のように考える癖をつけましょう。
思考1:この無価値感は不倫夫のもの
不倫夫はあなたに無価値感を植え付けますが、実は無価値観に怯えているのは不倫夫の方。
自分の中の無価値感をあなたに押し付け、自分を価値ある人間と思い込みます。
どういうこと?夫は自分に自信満々だよ。
空想上の「イケてる俺」に陶酔してイキってるだけだよ。
彼らは幼少期の生育環境などにより、「自分は自分のままでは愛されない人間」という無価値感が植え付けられています。
それは決して触れたくない傷。
そこで『イケてる自分=本当の自分』と思い込むことで、無価値感を感じないよう自己防衛。
しかし不倫の指摘など、無価値感を脅かされる状態は不倫夫にとって脅威です。
だから無視や見下しをすることで、自分の中の無価値感をあなたに丸投げ。
本当の自分から逃げるため、あなたを自分の無価値感のゴミ箱にしている状態です。
あなたの愛情や誠実さを利用して。
無価値感を感じた際、ふと立ち止まってみてください。
「この無価値感は、誰のもの?」
「受け取りません。お返しします。」
あなたがゴミ箱になる必要はありません。
思考2:思い通りの反応は不倫夫の餌
最愛の夫から無視されれば弱ってしまうのは当然。ですが弱る姿を見せるほど、不倫夫は不当な態度を強化させます。
コントロール成功と思わせるから。
不倫夫が無視する目的は、あなたを萎縮させ支配関係を構築することで自分のシナリオ通りにことを運ぶため。不倫夫の想定通りの反応をすれば、成功事例を学習します。
- あからさまに落ち込んだ姿を見せる
- すぐ「ごめんなさい」と言う
- 夫に優しく接する
- 夫に好かれるよう努力する
- 良い妻であろうとする
これらは全て逆効果。
でもこれ以上嫌われたくないんだよ。
夫の中の正解を探すほど、「私は雑に扱われても大丈夫な存在ですよ」と言っているようなもの。
妻の悲しみや努力を見て「自分はなんて馬鹿なことをしたんだ」なんて頭は一切ありません。それどころか、不当な扱いをしてもなお自分のご機嫌伺いをする妻を「弱者」とみなします。
だから心あるひとりの人間として見なくなるのです。
反対に、夫の感情に訴えかけたり正論をもって対抗することも、敵視が深まります。
無視されたところで「勝手にやってろ。あなたになんかに私は支配されない」と言わんばかりの無関心を貫くことが、夫にとっては一番の脅威です。
思考3:私にはちゃんと価値がある
無視されると「自分は価値がない人間」と思ってしまうものですが、あなたにはちゃんと価値があります。
不倫夫の無視はただの自己保身。本当にあなたに価値がないわけではありません。
あなたは純粋な愛を持ってるし、自分が辛い中でも家族を守ろうと頑張ってる。こんな状況下でも相手の立場になって物事を考えられるし、誠実さを貫こうとしてる。
そんな人間の無価値感を、あなたが引き受ける必要はありません。
妻子の心を踏みつけてまで本当の自分から逃げ続けるようなダサい人間、怯える価値もありません。
私にはちゃんと価値がある。
そう思えたとき、本当に大切にすべきものが明確になるはずです。
まとめ
無視や見下しのような一方的な拒絶は、自分の存在意義を見失ってしまうもの。
罰を与えられた感覚になり「私がもっとこうしてれば」と自己否定にも繋がります。
しかしこの感覚こそが不倫夫の罠。
彼らは自分が抱える無価値感をあなたに移し替えることで、自分を優れた人間と思いエゴを養います。
- 妻が悪いから仕方ない
- 妻は俺より下である
- 俺を否定する者は敵
- 自己陶酔の邪魔をされたくない
このような心理で自分を正当化し、本当の自分に向き合うことから逃げ続けます。
家族を必死で守るあなたがゴミ箱扱いされるなんて、あってはいけない。
自分を否定しそうなときは、以下のことを考えてください。
- この無価値観は不倫夫のもの
- 思い通りの反応は不倫夫の餌
- 私にはちゃんと価値がある
繰り返し繰り返し、染み込ませます。
卑怯者の洗脳にハマらないために。本当に大切なものを見失わないために。
あなたの価値は、あなたが決めるのです。
価値がある