- 以前はあんなに愛してくれてたのに
- なぜ夫の本性に気づかなかったのか
- あの頃の夫に戻ってほしいよ
不倫が始まってからというもの、嘘と言い訳三昧。あなたを悪者に仕立て上げ「俺悪くない」という態度の夫。
かつては優しく魅力的な夫だったからこそ、今の状況を理解するのは難しいですよね。
「私が夫を変えてしまったのかも」と反省しても不倫は終わらないし、辛い気持ちを訴えても自分が責められる始末。
離れようと一大決心した際には、反省する姿や「大切にする」の言葉を信じてしまう。
でも結局不倫は続いていたし、蔑む態度にも拍車がかかる。
今この状況。もう何を信じていいかわからないよ。
この場合、夫の洗脳サイクルにハマっている可能性があるよ。
モラハラ不倫夫は愛と支配を巧みに使った『4段階の洗脳サイクル』により、ターゲットを沼に引きずり込みます。
この記事では、元サレ妻で夫婦心理カウンセラーの筆者が、不倫夫の洗脳サイクルと対応策について解説。
- あなたが今どの段階にいるのか
- なぜ今の状態になっているのか
- 今後どのような状況が待っているのか
これらを客観的に理解することで、夫の本質が把握でき、今後の対策も見えてくるでしょう。
モラハラ不倫夫の洗脳にはサイクルがある
思いやりがあり誠実だったのに、不倫を境に冷酷で陰湿な夫に豹変。
そのような不倫夫は、自己愛人間の可能性が大。
歪んだ自己愛を抱える人間。空想上の「イケてる自分」に過剰な愛を持つ。共感性がなく他者を傷つけても平気な反面、他者評価には敏感。自己愛性パーソナリティ障害(NPD)と診断されることも。
愛情という餌をもとにターゲットをおびき寄せ、相手が完全に信頼したところで崖から突き落とす。
彼らはターゲットを洗脳するため「4つのステージ」を用意しています。
愛情・優しさ・魅力的な人間を演出し、猫をかぶっている時期。ラブボミング(愛の爆弾)とも言われる。
ターゲットに対し冷酷な態度。無視や蔑む態度をとったり、相手に罪悪感を植え付けたりする。
一方的にターゲットを切り捨てたり、ターゲットから見切りをつける時期。
自分都合でターゲットを引き戻す時期。真剣に謝罪したり、再び愛を語ったりする。
モラハラ不倫夫の【洗脳サイクル】4段階
自己愛人間の「洗脳サイクル」は4段階。
無価値化期で長期間停滞する場合もあれば、フーバリング期がない場合もあり、必ずしもこの順番というわけではありません。
しかし基本的には、4つのステージを通過することがほとんど。
彼らがどのようにあなたを惹きつけ精神を破壊していくのか、見ていきましょう。
第1段階:理想化期
愛情と魅力
あなたに理想を抱き、ターゲットとして捕獲する段階。
自己愛人間は、はじめは穏やかで優しく魅力的な人物に映ります。たくさん褒めたり、大切に扱ったり、プレゼントを与えたり。
あなたの欲しいものや言葉は何でも与え、あなたを得ることに必死です。
- こんなに愛してくれる人はいない
- こんなに素敵な人はいない
- 私の全てを受け入れてくれる人
このように感じ、大きな愛と魅力で完全に信頼。幸せな気分で満たされます。
しかしこの愛情と魅力こそが、自己愛人間の罠。
好意対象=自己陶酔の供給源
演技だったの?愛されていると思ってたのに。
演技ではなく本当に好きだと思っていたはずだよ。
好意は本物ですが、彼らにとって「好意=自己陶酔を得るための道具」。
自己陶酔を得る手段として無意識に魅力的な自分を演じ、ターゲットを捕獲します。
- 自分をおだててくれる
- 自分を否定せず味方でいてくれる
- 自分の欲を満たしてくれる
- 男の自分を立ててくれる
- 自分と一緒にいて遜色のない容姿
自尊心をうまく満たしてくれる対象に対し「これぞ理想の女性」と思い、自身もそれを愛情と錯覚。
しかし本当は、自分に向けた愛しかありません。
レッドフラグ
何でこのとき気づかなかったんだろう。
猫かぶりが上手だから気づかないものだよ。
「店員さんへの態度を見よう」とよく言われますが、自己愛人間は外面が良いため、見抜くのは困難です。
その中でも、レッドフラグがあった場合があります。
筆者の元夫にもレッドフラグがありました。
- 同僚や部下を裏で見下し
- 友人妻の容姿を裏で非難
- 元カノに非があったことを強調
- 不遇な対応を他者のせいにする
- 恋愛の進展が早い
確かに「思い返せば」というものはたくさんある。
しかし、人当たりが良い、周りからの信頼が厚い、すでに心奪われている、私を大事にしてくれる、完璧な人なんていない…
この時点でレッドフラグに気づくのは非常に困難です。
結婚や出産へと進み、心身共に逃げられなくなった状態で、突如崖から突き落とし始めます。
この理想化期は別名『ラブボミング』とも言われます。
自己愛人間にとって、爆発の到来は必然だったのです。
第2段階:無価値化期
好意の対象が自分に向けられているうちは、とても優しい自己愛人間。
しかし対象が移った途端、優しかった夫は冷酷人間に豹変します。
無視や蔑む視線であなたに無価値観を植え付けたり、「女として見れない」などと劣等感や恥の感情を植え付けたり。
また日々の行動も嘘まみれ。
妻が不倫を怪しもうものなら、徹底的にとぼけて話の論点をズラし、責任転嫁することで自分の身を守ります。
- そんなことまで覚えない
- そんなつもりで言ってない
- 気にしすぎじゃない?
- スマホ見るのは犯罪だよ
- 俺は信用されてないんだね
- 自分は悪くないと思ってる?
- 俺だって辛いんだ
- あのとき〇〇してくれなかったよね
あたかもはじめからあなたに問題があったかのように、罪悪感を植え付け自分の罪から逃れます。
「悪いのは妻」と本気で思うことで、「俺は被害者、不倫は仕方のないこと」と自己正当化。
理想化期ですっかり夫を信用してたから、急な変化に混乱しちゃう。
- 私が何かしたのかな
- 私が悪いのかな
- 私が至らない妻だからダメなんだ
- 私が夫を変えてしまったのかな
- 本当の夫は優しい人だもの
自分自身の感覚を疑い、自己嫌悪に陥ります。
本来彼らにあるはずの問題をあなたの問題かのように思わせ、自分は涼しい顔で過ごします。
代わりにあなたの気力や判断能力が奪われていき、動けないままただただ病んでしまうのです。
\ ガスライティングの具体的な手口 /
なぜ夫は豹変したの?の疑問に対しては「優しかった夫が不倫で別人になる理由」の記事が参考になります。
第3段階:お別れ期
無価値化期を通過し、別れに向けて進む段階です。
お別れ期は、自己愛人間からのお別れと、妻からのお別れの2パターン。
自己愛人間からの一方的な切り捨て
- 妻から自己陶酔の要素を吸い尽くした
- 自己陶酔の供給源を不倫相手に移行
- 不倫の指摘や追及により妻を敵視
これら状況で、自己愛人間は妻であるあなたを捨てにかかります。
それはもうゴミクズのようにあっさりと。
私を好きだった気持ちや、夫婦の思い出は忘れてしまったの?
そんなこともあったなレベル。
前述の通り、自己愛人間にとっては「好意=自己陶酔を満たす道具」。つまり純愛と思い理想化した対象は、彼らにとっては道具的価値です。
だから新たな道具の発掘により、簡単にそれまでの道具を切り捨てることが可能。
自己愛人間は別れ際も、責任逃れに全力を注ぎます。
- 不倫をひた隠しで離婚に持っていく
- 離婚原因を妻に押し付ける
- 妻を極限まで追い詰め離婚を言わせる
- 「離婚=家族の為」と利益の置き換え
性格の不一致で離婚に運ぶのは鉄板。私のときもやられかけました。
また「妻に監視されて自由がなかった」「妻からモラハラを受けていた」と嘘をでっち上げ、離婚原因をあなたに転嫁。
妻から離婚を切り出させることで「離婚は妻が勝手に決めたこと」扱いにする夫も。
極め付けは、「子どものためにも、夫婦仲悪いより早く離婚した方が良いよね」「離れた方がお互い良い関係でいられるよね」と、「あなたのため」を強調して配慮できる俺を演じる始末。
子どもの人生踏み潰して平然としてる奴が言えることじゃないよ。
妻が自己愛人間に見切りをつける
こちらが見切りをつけ別れを切り出す場合も、自己愛人間は自らの好都合な状況にすべく、コントロールを図ります。
彼らにとって離婚がまだ時期でないと判断した場合、全力であなたを引き戻しにかかります。
※引き戻し理由や方法については、次の「第4段階:フーバリング期」にて解説
しかし引き戻しがうまくいかなければ、徹底した責任逃れに一転。
- 妻を悪者に仕立てあげる
- 罵倒したり脅したりする
- 慰謝料や養育費等をケチる
- 会社や親族バレを阻止する
- 有る事無い事周りに吹き込む
- 被害者ヅラで味方をつくる
外ヅラ抜群な性質を活かし、「かわいそうな俺」を演じて周囲の人間を味方につけます。
いくら周りに自己愛夫の卑劣さを訴えても、
- 言い過ぎじゃない?
- そんな人じゃないと思うよ
- あなたにももっとできることあったのでは?
と理解してもらえず、二次被害にもつながります。
第4段階:フーバリング期
フーバリングとは、自分都合の引き戻しのこと。
※すんなりお別れが遂行できれば、この段階を通過しない場合もあります。
今まで散々、冷酷かつ蔑む態度であなたを追い詰めてきた自己愛夫。
そんな夫に見切りをつけた途端、急に以前のような優しく愛情深い姿を見せることがあります。
- もう一度やり直したいんだ
- こんなに傷つけると思わなかった
- やっと大切さがわかったんだ
- お前も娘も必要な存在なんだ
- 信頼してもらえるよう努力する
- もう裏切ったりしない
- もし戻れたら、家族で〇〇しよう
- 娘の成長、一緒に見ていきたいね
- 〇〇辺りで家を建てるのもいいね
- 歳老いても仲良く暮らしたいな
大袈裟に謝罪し、素敵な未来を見せ、あなたの聞きたい言葉を並べます。
「あなたがいないとダメ」と言わんばかりの鬱っぽさを演出することも。
優しい夫に戻ったと期待してしまうよ。
それが彼らの作戦なんだ。
- 妻子というステータス維持
- 不倫の証拠を握られてるか探り中
- 他人にバラされたくない
- 慰謝料減額に持ち込みたい
- 弁護士相談の時間稼ぎ
- 夫婦に向き合ったという証拠づくり
信じてよりを戻しても、不倫をやめることはありません。
それどころか「コントロール成功!」とノルマ達成の感覚。再び無価値化期に突入し、卑劣な態度が強化されます。
ここで騙されることなく、強い意志でサイクルから脱出することが非常に重要。しかしその場合も、再びお別れ期に突入し自己保身に走ります。
フーバリングの真意と見極めの判断方法については「自己愛人間の不倫謝罪」の記事にて詳しく解説しています。
モラハラ不倫夫の本質を見誤るな危険
自己愛夫は、第1〜4段階のステップを踏みながら、あなたの心をガッツリ惹きつけ精神を壊していく。
無価値化期が長期化するほど、またサイクルを繰り返すほど、横柄さは加速。
サイクルからの脱出が難しい最大の理由は、
- 第1・4段階の「愛ある姿」に夢を見てしまうから
- 第2段階で精神壊され、気力・思考力が奪われるから
冷酷な態度の中でも、以前の優しかった夫の姿が垣間見えると「きっとまた分かり合える」「元の夫に戻ってくれるかも」と期待してしまうものです。
しかし初めから、優しさ自体が虚像。罠でした。
自己愛人間は優しさを持ち合わせていません。共感力がありません。人の心の痛みが分かりません。自分を満たすことが生きがいです。そのためなら、妻や子ども、本当に大切にすべき人の人生や命までも平気で犠牲にします。そしてどうでもいい他者には良い顔しい。
全ては自己陶酔に浸るため。
それが彼らの真の姿であり、優しく魅力的な姿は、自己陶酔を得るための偽りの姿です。
理想化期・フーバリング期➡︎偽物の姿(罠)
無価値化期・お別れ期➡︎真実の姿
だからあんなに愛してくれてたのに、こんなあっさり捨てれるんだ。
「愛されてた頃に戻りたい」と願ってしまうけど、それはまた道具に躍り出るということ。
つまり「私を利用していいですよ」と自ら支配下に行くということです。
今まであなたがいた理想化期に、今は不倫相手がいるだけ。純愛に似せた道具的利用。
洗脳サイクルの悪循環を断ち切る対応策
無価値化期に居続けるほど、みるみる精神が壊れていく。
お別れ期に突入しても、フーバリングで元に戻ればさらに無価値化が加速し、悪化のループ。
優しさ自体偽りなので、穏やかな愛情が築けることもない。
となると、あなたの心を守るにはサイクル脱出が第一です。
すぐに別れるなんて難しいよ。
準備だけでもしておくことに損はないよ。
対応策1:攻撃スルーでメンタル維持
妻の行動に対する自己愛夫の思考
悲しむ・自己嫌悪に陥る・嫌われないよう振る舞う
➡︎「俺がコントロールしている」と優越感に浸る
正論をぶつける・感情の理解を求める
➡︎自己陶酔の阻害と捉え、敵視が深まる
つまり落ち込む姿を見せることも、彼らを正そうとすることも、攻撃を正当化する理由になり無価値化が悪化。
自己愛人間に対しては感情を閉ざし、攻撃に反応しない意識が非常に重要です。
攻撃を弱めることでメンタル維持しつつ、有利な状態に持っていくための準備を同時並行で進めます。
対応策2:有利に脱出するための準備
別れのタイミングや条件を、自己愛夫に操作されてはいけません。
お金もないのに急に切り捨てられたり、性格の不一致やあなたのモラハラに仕立て上げられ慰謝料が取れなかったり。夫婦関係の破綻を主張されたり、親権が奪われてしまったり。
事前にできる限りの準備をしておくことで、いざというとき主導権を握りやすくなります。
- 不倫の証拠を得る
- モラハラの記録をボイレコで録る
- 仲良かった頃〜無価値化期の詳細を時系列ごとにまとめる
- 自分が家族や子どもに向き合ってきた記録残す
- 離婚届不受理申請書を提出する
- 経済的に自立する
- 生計の目処を立てる
- 生活環境(サポート体制)を整える
- 慰謝料養育費など専門家に相談
婚姻中の今だからこそ、その状態を利用して準備できることがあるはず。
急な状況変化に対応できるような予防線は必須です。
準備をしておくことで後ろ盾ができて、夫の顔色伺わずに済むかも!
対応策3:フーバリングに騙されない自分軸
最後に重要になるのが、自己愛夫の上辺の優しさに騙されないこと。
せっかく万全の準備をしたのに、ここで騙され、こちらの手の内を晒せば、今までよりも状況は苦しくなります。
昔の夫を思い出し、未来に期待する気持ちは痛いほど分かる。
私もそうだったから。
信じてしまいそうになったときは、次のことを思い出してください。
目的のためならどんなパフォーマンスでもします。
騙すためなら、あなたの愛情や思いやりを平気で利用し、己のために子どもの心や人生が壊れることさえ何とも思いません。
もはや好きか嫌いかの次元で考えると、本当に大切なものが壊れていくんだね。
冷酷で怖い目つき・蔑む態度。その姿が彼らの本性。
爆弾はお譲りするのが身の安全です。
まとめ|モラハラ不倫夫は偽物の愛と優しさで支配する
不倫しても悪びれることなく、あなたに責任を押し付ける夫。
そんな夫に優しさを見出し「また元に戻れるはず」と思っているあなたは、自己愛人間の洗脳サイクルにハマっている可能性があります。
第1段階:理想化期
第2段階:無価値化期
第3段階:お別れ期
第4段階:フーバリング期
「理想化期・フーバリング期」に見せる愛情や優しさを信じ、希望を抱いてしまう。だから現実感覚が歪み、離れることが困難になっていきます。
同じ優しさでも、理想化期は本人も無意識ですが、フーバリング期は意識的に明確な目的のもと行います。
理想化期は本人も愛情と思い込むあたり真の優しさと錯覚しますが、その優しさを本質と見誤ると沼化。
自己愛人間の優しさは、自己陶酔を得るための手段だから。
無価値化期・お別れ期の、卑劣で陰湿で冷酷な姿が本性なんだよね。
自身を守るには、サイクル脱出が一番。
感情閉鎖してメンタルを保ちつつ、有利に脱出できる準備を進めていく。
同時に「本当に大切なものは何か」「この状態でそれが本当に守れるのか」価値観の軸を明確にしていく。
真の優しさがある人は、自己保身のために家族の心や人生を犠牲にしません。
そんな不誠実な人間にあなたの誠実さを貫かないことも、大切なものを守る強さです。
脱出し、いつか本当の安心と愛情に包まれた未来になりますよう。
騙されないで