- なぜ辛い気持ちわかってくれないの?
- 私や子どものことはどうでも良いの?
- 仲良かったのになぜ変わったの?
長年愛情を積み重ね、共に生きると信じて疑わなかった夫。
そこに突如降りかかった不倫問題。
その途端、優しかったはずの夫の攻撃的な姿に、混乱する方も多いでしょう。
苦しさわかってくれないどころか、私が悪いみたいに言ってくるんだ。
不倫だけでも十分辛いこと。それなのに感情を否定され、おかしい奴扱いされ、あなたの心はグチャグチャになって当然です。
そのようなシタは、自己愛人間の可能性があります。
筆者自身も元サレ妻。かつて自己愛傾向の強い元夫に、精神が壊されかけました。
この記事では、現夫婦心理カウンセラーの筆者が、不倫で攻撃的になる心理とその対処法について解説します。
理屈を知らなければ、適切な対処とは真逆の行動をとってしまいがち。
まずは現実を知ることから始めましょう。
優しかった夫が不倫で別人になる【6ステップ】
本来人と人は、愛情や思いやりで繋がっていくものだと思いますよね。
ましてや夫とは、ずっと支え合って生きていくと信じ結婚したはず。
しかし自己愛人間には「これをしたら相手を傷つけてしまう」という感覚がないため、不倫のハードルが非常に低いのです。
歪んだ自己愛を抱える人間。空想上の「イケてる自分」に過剰な愛を持ち、それを本当の自分と思い込むことで脆い自己を支える。
この傾向が強いと、自己愛性パーソナリティ障害と診断されることも。
攻撃的な姿勢には、段階と理由があります。
自己愛人間は、他者に高い理想を抱いています。
仕事でもプライベートでも、相手に「これくらいできて当たり前」「できない奴には価値がない」という思考。
特に異性への理想は強く、常に理想的な女性を探し求めています。
- 自分の好みに合う容姿
- 自分を上手く立ててくれる女性
- 自分の意見を否定しない女性
自尊心を満たしてくれる女性を常に必要とします。
そして出会ったのがあなた。
自己愛人間はターゲットを見つけると、自分のものにするため優しさを持って近づきます。
- 「他の女性とは違う」と褒める
- プレゼントやサプライズ
- 一緒に生きる未来を語る
思いやりがあり愛情深い彼の姿に、「こんなに私を愛してくれる人はいない」と思い結婚。自己愛人間は結婚後も変わらず優しく接します。
あなたが自尊心満たしのターゲットであるうちは。
結婚や出産など家族として過ごす中で、あなたは家族のステップを歩みます。
- 親族間の関係維持
- 出産の辛さ
- 子どもとの関わり
その現実を乗り越えながら、夫と愛情を育んできました。
しかし自己愛人間が求めているものは、家族の成長や絆ではありません。
結婚前から一貫して「自尊心を満たすこと」。
だから妻の些細な変化を「理想から外れた」と判断します。
自尊心満たしの新たなターゲットを見つけます。
不倫の始まりです。
俺様をおだててくれ、否定もせず、欲も満たしてくれる存在。
それを愛と勘違い。そこにあるのは、歪んだ自分への愛だけです。
夫の変化に気づいた妻は、以下の行動に出がち。
- 本人に違和感を指摘
- 辛い感情を訴える
- 行動を把握しようとする
しかし夫は「自尊心を満たすこと」に執念を抱いています。それを妨害してくるあなたは敵。
あなたを黙らせるため、【カバートアグレッション】という陰湿な手口で精神的に弱らせます。
無口・見下し・罪悪感の植え付け・被害者ヅラ・論点のすり替えなど。
あなたが何を言おうとどれだけ苦しもうと、夫は無関心です。
そんな自己愛人間ですが、自分から離婚を言い渡すことはあまりありません。
何ごとも自分の責任にはしたくないから。
陰湿な態度で弱らせ、妻に離婚を言わせます。
- 離婚はお前が決めたこと
- 俺はこれだけしてやったのに
- 自分の発言だから自分で責任とれよ
という態度で、どこまでも自分を正当化します。
妻が自分に嫌われないよう縋る姿勢を見て「こう言えば丸め込める」と学習。
気持ちを理解しないどころか、攻撃的な態度はエスカレートしていきます。
不倫で攻撃的になる理由は妻の「有害化」
不倫中の自己愛人間は、妻を有害な存在と捉えています。
「有害」だから攻撃する。「有害」でなければ攻撃しません。
でも特に何もしてないよ?辛い気持ちわかってほしいだけ…
実際、妻の行動に有害性はなく、あくまで「自己愛人間にとっての有害」です。
では具体的に、妻のどのような部分に「有害性」があるのでしょうか。
理由1:自己陶酔の邪魔をする存在
自己愛人間は自己陶酔に浸ることが生き甲斐。
不倫相手は、自己陶酔を満たすための道具です。
せっかく見つけた自己陶酔の道具を手放すことは、何としても避けたい事態。
だからその道具の使用を制限するあなたは「有害」です。
- 不倫を疑われる
- 行動を干渉される
- 行動を制限される
- 愛情を求められる
- 感情の理解を強要される
自己愛人間にとってはこれら全て、自己陶酔を邪魔されている感覚。
あなたを陰湿に攻撃し丸め込むことで、疑いから気をそらせようとします。
自己陶酔を愛と勘違いする自己愛人間は、俺の愛を邪魔する者としてあなたに敵意を向けるのです。
理由2:醜い自分を自覚させてくる存在
「カッコイイ俺」に浸ることが生きがいな自己愛人間は、「カッコ悪い俺」を受け入れることができません。
醜い自分に向き合えないから。
だから、醜い俺を自覚させてくるあなたを敵視します。
カッコ悪いだなんて言ってないよ。
直接言わなくても、自分の罪を自覚させてくる存在は脅威なんだ。
- 不倫を責められる
- 目の前で泣かれる
- 話し合いを求められる
自分の悪い部分を一切感じたくない自己愛人間にとって、これら行動は全て有害。
逆にあなたに罪悪感を抱かせることで、黙らせようとします。
理由3:自分の醜態が晒される脅威
自己愛人間は、醜い自分が周囲にバレること、また責任を負うことを非常に嫌います。
もともと周りからの評判が良いことも多い自己愛人間。しかしそれも全て、自己陶酔に浸るため。
紳士的に演じてきただけに、不倫という醜態が晒されることは、耐え難い苦痛です。
だから「原因はあなたにある」とあなたの現実感覚を麻痺させることで、言動を抑え込もうとします。
それでもいざ不倫がバレた際(または離婚した際)には、「ヒステリーな妻で気がおかしくなりそうだった」などと被害者ヅラし、今度は周囲の人間を洗脳。
妻を悪者に仕立て上げることで、「醜い自分」を隠し自己陶酔を守りぬくのです。
自己愛人間は、劣等感から目を背けるため、自己陶酔を得ることに必死。自己陶酔を奪う者、劣等感を認識させてくる者は、有害な存在。
不倫夫が攻撃を正当化する5つの心理メカニズム
いくら不都合な存在とはいえ、今まで共に歩んできた妻がボロボロになる姿を見て、心が痛まないはずありませんよね。
普通の人間なら。
今まで仲良かったのに、なんでこんなに酷い仕打ちができるの?
彼らは、他人の痛みや人生に興味がないんだ。
自己愛人間が平気であなたを傷つけることができる裏には、自己正当化する心理メカニズムが働いています。
心理1:他者は自己陶酔を得る道具
自己愛人間は、もともと他者への愛情を持ちません。
空想上の「カッコイイ俺」に対する愛しかなく、他者はそれを満たすための道具。
共感性はなく、他者を心のある人間と理屈上は理解できても、感情面で理解することはありません。
今までどれだけ優しく愛情深く見えても、それは全て「カッコイイ俺」に浸るためのもの。
- 優しい俺カッコイイ
- 妻思いな俺カッコイイ
- 育児する俺カッコイイ
張本人も、自己陶酔を得るターゲットに愛情を感じています。
しかし本当の愛ではないため、ターゲットが変わった瞬間、いとも簡単に妻を虫ケラ扱いできるのです。
心理2:自分を否定する者がおかしい
自己愛人間は「自分は間違っていない。自分を否定する奴がおかしいんだ」という思考を持っています。
自分の中の劣等感から目を背けていないと、脆い自己を支えることができないから。
全てが自分視点。自分を否定する者は敵。
なので「弱くて有害」な者への攻撃は正当です。
これを言ったら妻がどう思うか考えないの?
考えない。考える必要がないと思ってる。
あなたを丸め込むためなら、どんなおかしな理屈も正当かのように押し通します。
心理3:被害者は自分
本当に信じがたいのですが、被害者は自分の方だと本気で思っています。
そう思わないと罪悪感で押しつぶされ、嫌でも劣等感に向き合わざるを得ないから。
- 妻がヒステリーでしんどい
- 責められてばかりで苦しい
- 俺の恋愛が邪魔されている
- 俺に自由はないのか
- あの時〇〇してくれなかった
自己陶酔が思うように得られない状態に憤りを感じ、「悪いのは妻。俺は被害者」と思い込みます。
不倫をしていることは棚にあげ、加害者を攻撃するのは正当という思考です。
心理4:理想化の押し付け
自己愛人間からしたら、自分はイケてる人間です。
だから一度ターゲットから外れた妻のことを、無価値化して見下します。
「お前は、イケてる俺に愛を注がれるに値しない」
言葉にしなくとも心の中に大きなうぬぼれがあり、それが妻への酷い態度を正当化させています。
私も妊娠中から不倫サレ。産後の心身共にボロボロな時期に「女として見れない」と言われました。
大きなショック。でも夫の心を取り戻したい一心で、女としての意識を高めるため、まだ首の座らない娘を抱えながら精一杯のお洒落を意識。
しかしその行為さえバカにされる始末。そしてその数ヶ月後、妊娠中からの不倫を知ることに。
本当に無価値なのは、シタ夫であり不倫相手。
- ただ目新しい対象
- 非現実の世界を提供してくれる存在
- 自分を最大限甘やかしてくれる存在
イケてる俺を実感させてくれる、そんな表面上の理由で「不倫相手=理想の女性」と思い込む。
理想から外れた妻は、思いやる価値のない存在です。
心理5:弱い者から搾取せよ
自己愛人間は、目上の人に弱く、目下の人に強い態度をとります。
目下ってどういうこと?
自分より下とみなした相手。それを弱い存在と捉えてる。
自己愛人間にとっての弱い存在とは「心ある人間」。
よく言えば優しく柔軟性があり、悪く言えば自分に自信のない人間です。
特に妻に対しては、以下のように弱いレッテルを貼ります。
- どうせ俺から離れられない
- 俺に嫌われたくないないはずだ
- 意見に流されやすい奴
- 大きな反撃はきっとしない
- 適当に丸め込めばOK
自分を守るためなら、あなたの愛情や思いやりは徹底的に利用。
弱い者の感情は搾取すればOKで、そこに罪悪感はありません。
不倫夫の攻撃から身を守る方法
自己愛人間とはできるだけ早く離れるのが一番。
しかし、すぐに離れるのが現実的に難しい場合もあるでしょう。
攻撃から身を守るには、まず心に刻むべきことが3つあります。
- 自己愛人間の性質は変わらない
- 感情や理屈が通用する人間ではない
- これは攻撃ではなく洗脳である
その上で、自己愛人間の攻撃要素「有害・弱い」を排除していきます。
それらを自己愛人間の前では見せないようにすることです。
具体的には、
- 無関心を装う
- シタ夫の攻撃に反応しない
- 毅然とした態度
- 喜怒哀楽を見せない
- 家事・挨拶・最低限の会話はする
シタ夫は責められるほど、あなたを敵視し態度を硬化させます。
だから「今日も遅いの?誰と会うの?」というような詮索発言はNG。
また愛情を求めたり弱った姿を見せることも、さらに「有害」と思わせ逆効果。
卑劣な手口で攻撃を仕掛けてきても、一旦深呼吸。「これは洗脳だ。自分を守るため私を操作しようとしてる」と自分に言い聞かせます。
そして、無茶苦茶な言葉を浴びせてきても、あなたをちっぽけな存在のように思わせてきても、鬱アピールしてきても、感情的に反論したり悲しむ姿を見せてはいけません。
「わかって欲しい」という無意識の感情は、あなたを邪魔します。
そんなの難しいよ。
始めはとても難しいと思う。ただ少しずつで良いから、あなたの意識を変えていって欲しいんだ。
動揺した姿、感情的な姿を見て、自己愛人間はあなたに対し「簡単にコントロールできる存在」という認識を深めます。
- あなたはそう思ってるんだね
- そんなつもりで言ってないけどな
- 気のせいじゃない?
- 私はそんなこと言ってないよ
と、言葉を受け入れず、毅然とした態度が肝心です。
自己愛人間は他人の感情を喰い物にするので、感情を見せるだけ逆手に取られます。
喜怒哀楽を見せることは、操作する材料を与えているのと同じ。感情を隠すことは、自己愛人間から洗脳手段を奪わせます。
かと言って無視や家事を放棄するなど、怒りを露骨に出す姿勢はアウト。
- もともと家庭崩壊してた
- 家事育児をやらない妻だった
と自己正当化する手段を与えます。
私も不倫と戦うと決めてからは、やるべきことはこなし「家庭に向き合ってた妻」の証拠作りをしました。その裏で不倫の証拠をとり、離婚後の準備を進めました。
とはいえ、これらは根本の解決ではありません。あくまで応急処置。
自己愛人間の愛を取り戻すこと、不倫を反省してやめさせることは、期待しないほうが良いでしょう。
- 私が本当に大切にしたいものは何?
- この関係から生まれるものは何だろう
- 本当にこの状態は子どもに幸せなのか
考え続けることを諦めないでください。
まとめ
優しかった夫が不倫により別人になるのは、自己陶酔の邪魔をされたくないから。
- 不倫相手との関係を脅かす
- 醜い自分を自覚させてくる
- 自分の醜態を晒す可能性がある
そんなあなたの存在は、自己愛人間にとって有害です。
彼らには共感力がありません。
- 自分を否定する者がおかしい
- 他者は自己陶酔を満たすための道具
「弱くて有害」な者への攻撃は正当と思っているため、それまでどれだけ優しく見えていたとしても、急に虫けらのように妻を扱えるのです。
だから自己愛人間に対し「話せばきっと分かり合える」という幻想を捨てない限りは、間違った対処法で悪循環にハマっていくだけ。
自己愛人間の攻撃は「悪いのはあなた自身」と思わせる洗脳なので、間に受けず、受け流すことが大切です。
その中で、自分の本当に大切にすべきものは何か、問い続けながら今後の準備をするのが良いでしょう。
あなたを攻撃するのは、あなたに問題があるからではない。シタが自分を守りたいだけ。
自分の劣等感に向き合えないから、感情あるあなたを攻撃している。
それを忘れないでください。
そんな愚かな人間から、あなたとお子さんの心、どうか守ってくださいね。
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劣等感の表れ