- シタ夫の顔色を伺ってしまう
- シタ夫に本音を言うのが怖い
- 自分にも問題があると思えてくる
- たまに優しくされると嬉しい
夫が不倫しているにも関わらずこのように感じる場合、シタ夫にコントロールされているサインです。
私も、不倫中の元夫が怖い存在になっていました。
筆者は元サレ妻で、現夫婦心理カウンセラー。
話し合いは避けられ、冷酷な態度に恐怖心を覚える。独自理論で黙らせてくるが、何がおかしいか指摘できない。
次第に「私にも悪いところがあったから…」と思えてくる。
今ならハッキリとわかります。これが異常だと。
しかし当時は気づきませんでした。
コントロール方法は共通しています。
シタ・サレともに、コントロールは無自覚。だから気付きにくいのです。
しかし、あなたの心は確実にえぐられています。
この記事では、自己愛人間が使う心理的操作「カバートアグレッション」について解説します。
不倫しながらも自己保身を貫くシタ夫に、あなたの心が壊されてはいけません。
攻撃手口やその意図を把握することが、自分の身を守ることにつながります。
自己愛人間の種類
不倫に多い自己愛人間の特徴
不倫人間の中には、歪んだ自己愛を持つ人が一定数存在します。
- 不倫しているのに悪びれる様子もない
- 急に冷酷で見下すようになった
- 明らかに傷つく妻を悪者扱い
自己愛人間に、道徳心や倫理観なんてものはなし。
欲を満たしたい。でも悪者にはなりたくない。
その一心で、平気で家族を犠牲にします。
- 妻の心の傷
- 子どもの心や人生
なんてお構いなし。
不倫するくせに「自分を否定する者=敵」と捉えます。
自分視点しかないんだよね。
不倫する自己愛人間の特徴については「自己愛性のシタ夫10の特徴」で詳しく解説しています。
2種類の自己愛|尊大型と隠れ型
自己愛人間の種類は複数ありますが、大きく2種類に分けられます。
- 尊大型
- 隠れ型
両者に明確な区別はなく、混じったタイプの自己愛人間も存在します。
尊大型
尊大型の自己愛人間は、典型的なナルシスト。
自信満々でカリスマ性もあることから、多くの人から注目を集めます。
その一方、自己中心的な側面も。
自己中さを特に隠すこともないため、周りから問題児扱いされることも多々あります。
- 今怒っているな
- おかしなこと言っているな
という感情が非常にわかりやすいです。
隠れ型
対し、隠れ型の自己愛人間の感情は非常に読みづらいです。
心の奥底は大きな劣等感の塊。ドロドロした感情を持ちながら、良い人を演じるのが特徴です。
それは「他者から映る自分」を異常なほど意識しているから。
優しく穏やかな人間に見せているため、いざ不倫が起きても、周りに卑劣さは伝わりません。
絶妙な手法を使うため、操作されていることに気付きません。
自己愛人間の罠にハマれば、サレ側が自分を責め、気付かぬうちに心が疲弊していくことに。
この隠れ自己愛人間が使う心理的操作を「カバートアグレッション」と呼ぶ。
不倫における心理的操作【カバートアグレッション】の手口
隠れ自己愛人間は、カバートアグレッションという手法を使い、妻を心理的に操作します。
怒鳴る叩くなどの感情に任せた攻撃ではなく、態度や言葉でネチネチ相手を威圧し、弱らせます。
手口1:魅力と優しさ
隠れ自己愛人間は、はじめは穏やかで優しく魅力的な人物に映ります。
あなたを褒めたり、大切に扱ったり、プレゼントをしたり。
- こんなに愛してくれる人いない
- こんなに素敵な人いない
- 私の全てを受け入れてくれる人
しかしその優しさは、自己愛人間の罠。
私のこと大事にしていたのは演技だった?
演技ではないよ。本当に好きだと思っていたはずだよ。
好意は本物。ただ自己愛人間の場合、「好意=自尊心を満たす対象」。
自分自身も純粋な愛情と感じていますが、本当は自分に向ける愛しかありません。
なので新たな自尊心満たしのコマを見つけると、妻への関心は一気になくなります。
手口2:無口・見下し・威圧的
好意の対象が自分に向けられているうちは、とても優しい自己愛人間。
しかし対象が移った途端、優しかった夫は冷酷人間に変わります。
「何かがおかしい…まるで別人みたい」
話し合いは避けられ、無口で威圧的な態度。そして妻を見下します。
- 結局何が言いたいの?
- 女としての自覚足りないよね
- もっと自立したら?
恥の感情を植え付け、自尊心が奪われる。
愛する夫から心を遮断されれば「自分はなんて無価値な存在なんだろう」と、次第に鋭気が吸われていきます。
寡黙で冷めた目をされると、催眠術かのように気力がなくなっていくんだよ。
手口3:論点ズラし
自己愛人間は、都合の悪い質問には必死でとぼけます。
不倫を問い詰められたり行動を詮索されれば、これ以上の深掘りは回避。
- そんなことまで覚えてない
- そんなこと言ったかなぁ
- 気のせいじゃない?
そして論点をすり替えます。
- なんでそんなこと聞くの?
- スマホ見るなんておかしいよね?
- 「普通は」って、自分達の話なのに普通とか関係ないよね?
冷酷な態度で正気が奪われる中、論点がコロコロ変われば、こちらは混乱するばかり。
いつの間にか、サレ側がおかしい奴扱いです。
手口4:絶妙に事実を歪曲
自己愛人間は、絶妙に事実をねじ曲げ、こちらを混乱させます。
事実の中に細かな嘘を混ぜ込んでくるため、信憑性がありそうでどこか狐につままれたような感覚に。
何が本当で何が嘘か、判断は困難です。
- もしかして本当なのかも
- 私の感覚がおかしいのかな
とあなたの記憶は上書き。
妻の現実感覚をマヒさせ、問題をねじ伏せる戦略です。
手口5:問題を「過剰反応」扱い
不倫問題や夫婦の悩みを、大袈裟扱いします。
- お前の考えすぎ
- 恋愛から家族になっただけだよ
- 恋愛感情はいつかなくなるものでしょ?
妻を「求めすぎでヒステリーな奴」に仕立てあげる。
自分の問題は隠すくせに、妻の些細な粗を見つけるのは得意です。
話し合い中の寡黙な態度に、何を考えてるかわからず不安になり、こちらが感情的になれば思う壺。
この前はこう言ってたよね?矛盾してない?
と、相手の揚げ足取りには必死です。
「冷静な俺は大人、感情的なお前は子ども」と言わんばかりの態度。
手口6:被害者ヅラ
自己愛人間は、被害者意識の塊。
でっち上げられた精神的苦痛を最大限アピールします。
- 俺には自由がなくて辛い
- あの時〇〇してくれなかったよね
- こんなに疑われて辛い
- 謝ったのに許してくれない
- これ以上俺はどうしたら良いんだよ
- 自分を悪い奴と認めたくない
- 妻を黙らせたい
- 周りを味方につけたい
自己愛人間は「カッコ悪い俺」を受け入れることができません。
被害者と思い込むことで「不倫は仕方のないこと」と自分を納得させています。
また、妻からこれ以上の攻撃を防いだり、周囲に不倫や離婚がバレた際の予防線として、自身を被害者にすることで必死に身を守るのです。
手口7:罪悪感の植え付け
被害者ヅラをすることで、妻に罪悪感を植え付け、自己正当化。
- 勝手にスマホ見るのは犯罪だよね?
- 残業なのに疑われたらしんどい
- これだけやってあげてるのに、まだ求めるんだね
優しく共感性のある妻は、自分を責めがち。
- 私が求めすぎなのかな
- 信じられない自分がダメなのかな
- こんなこと言われたら嫌だよね
自己正当化の罠とは気づかず、自分を犠牲にしていくのです。
手口8:責任転嫁
問題の原因を妻に責任転嫁することで、自分の罪をもみ消します。
- 自分は悪くないと思ってる?
- お前が俺にそうさせた
- こんなところが嫌だった
- お前は自分のことばかりだよね
「私が変われば、きっと関係も戻るはず」それで戻るはずがありません。
原因はもともとそこにないのですから。
「不倫してる悪い俺」への非難を避けるため、妻の責任に仕立て上げているだけのこと。
「私が変われば」は、シタ夫の傲慢な姿勢を助長させるだけです。
手口9:偽物の愛と未来
不倫中は冷酷で威圧的なシタ夫。
しかし離婚や慰謝料請求など不都合な状況に直面すると、急に友好的に振る舞うことがあります。
妻を虫けらにように見下す態度はどこへやら。
- 俺が悪かったと平謝り
- 家族の未来を語る
- 妻の大切さに気づいたと言う
- 昔の笑顔で優しく接する
いくら離婚を決め込んでも、優しく親切な以前の夫の姿に、心は揺らぐものです。
私もそんな元夫の態度に、再度夢を見てしまいそうになりました。
しかし自己愛人間の本性は変わりません。
- 妻子というステータスは手放せない
- 離婚まで考えていなかった
- 慰謝料減額したい
- 弁護士さがしの時間稼ぎ
- 他者にバラされたくない
偽物の謝罪でシタの要望を飲めば、コントロール成功と思わせエゴが加速。
要望が通らないとわかれば、友好的な姿勢は一気になくなり、冷酷で威圧的な態度に逆戻り。
陰湿な自己愛人間の姿を再び現します。
手口10:利益の置き換え
自己愛人間は、自分の利益をあたかも相手の利益かのように置き換えます。
2人とも頑張ってるのに上手くいかないなら、お互いのために離れる選択肢もあるよね
➡︎不倫を隠して離婚したい
不倫のこと誰にも言わないほうが良いよ。俺が職失えば養育費もらえないでしょ?
➡︎自分の醜態晒されたくない
もう子どもとは会わないよ。中途半端に会っても将来子どもを混乱させるだけだよ
➡︎妻子をなかったことにして自由に生きたい
単なる自分都合にも関わらず、自分の責任には一切したくない。
「あなたが決めたことだよね?」と全てはサレの責任。
相手のためを強調し「配慮できる俺」を演じます。
そこに不満を言えば、
- そんなつもりで言ってない
- これ以上何を求めるの?
- どうしてそう捉えるかなぁ
と、サレ側を理解のない人間に仕立て上げます。
手口11:編集された嘘
不倫が妻にバレ、窮地に立たされたシタ夫は、妻を悪者に仕立て上げることで周囲の人を味方につけます。
そこで用いられるのが、編集された嘘。
- 物事の一部分だけ切り取る
- 時系列がバラバラ
- 細部をぼやかす
不倫の事実や自分の言動など、シタに不都合な部分はひた隠し。
- 妻が感情的にキレるんだ
- 俺はモラハラを受けていた
- 普段からスマホ見られてた
- 家事育児を手伝っても文句ばかり
- ただの残業なのに電話で確認された
- たくさん謝ったのに俺は棄てられた
不倫がなければ一切しなかったこと、挑発がなければ一切言わなかったこと。
それら状況や会話の流れは全てカットし、「かわいそうな俺」に好都合な事実だけ他者に伝えます。
周囲の人やシタの両親からすれば「ヒステリーな妻」「監視する妻」とサレが悪者だよね。
隠れ自己愛人間は外面が良いため、絶妙に弱った姿を見せれば、周囲の人は洗脳完了です。
手口12:脅し
自分に不都合な状況を回避するため、サレを脅すシタもいます。
- 彼女に慰謝料請求したら、お前への愛は完全になくなるよ?
- 不倫こと誰かに言ったら、名誉毀損だよ?
声を荒げる訳でもなく、ポーカーフェイスで淡々とした口調で脅しをかける。
サレの愛情深さや不安感を巧みに利用し、自己保身のために行動を制限するのです。
自己愛性シタ夫にコントロールされているサイン
たくさんの手法を用い、妻を惑わせようとする自己愛性のシタ夫。
不倫サレてるにも関わらずあなたが以下のように感じるのであれば、すでにシタ夫の支配下にいる可能性が高いです。
- 本音を言うのが怖い
- 話しかけるのが怖い
- 顔色を伺ってしまう
- シタ夫に嫌われたくない
- 自分にも問題があったと思えてくる
- たまに優しくされると嬉しい
- 私が我慢すれば良い
- 私が変わればきっと元に戻れる
- 暴言吐かれても「優しいところがある」と言い訳さがしてしまう
自分を犠牲にしてシタの機嫌を伺っている状態は、ハッキリ言って異常です。
でも、本当に私にも悪いところがあるのかも…。
夫にそう思わされてるだけ。その姿勢でいる限り、シタ夫の傲慢さは加速するだけだよ。
苦しみながらも相手の気持ちを考えられるあなたが、不倫されても仕方のないほど酷い行いをしてきたなんて、あり得ません。
シタ夫は、自らの行いや心の醜さを受け入れることができない、心の小さい人間です。
だから、自分の醜さをあなたに投影することで、自己正当化しているだけ。
隠れ自己愛人間は、自分が悪い人間であることを必死で隠します。
自分の悪を相手のものとして押し付けることで、「自分は間違っていない、相手が悪いから自分の行いは仕方ない」と考えるのです。
- お前は自分のことしか考えていない
- お前のやってることは犯罪だ
- お前は俺に求めすぎなんだ
シタがあなたに言う言葉は、全部シタが自分に向けた言葉と捉えると、非常にしっくりきます。
「私がおかしいのかも」「私が変わればきっと」と考えたところで、夫が変わることはあり得ません。
そう感じるほど、シタにコントロール成功と思わせ、「こう言えば黙るんだ」と学習機会を与えるだけです。
同時に心の傷はどんどん深くなっていくよね。
自己犠牲から生まれるものは一体何でしょうか?
カバートアグレッションから身を守る手段
隠れ自己愛性のシタ夫は、あなたの愛情や思いやりにつけ込み、自分を必死で守っています。
- もうやめて
- ちゃんと話し合おうよ
- 子どもの気持ち考えようよ
共感性のない自己愛人間に、そんな言葉は届きません。
自分の心・立場・利益を守ることしか考えていないから。
じゃあ、私と子どもを守るにはどうしたら良いの?
攻撃を受けても、これはシタ夫の戦略だと気づくこと。
「今すぐ逃げろ!」と言いたいところですが、すぐに物理的に離れられない場合も多いでしょう。
ならば、心理的に壁を作るしかありません。
そのためには「今、シタ夫が操作しようとしている」と自覚する必要があります。
具体的には以下の通り。
- シタの性質は変わらないと認識する
- シタの問題と自分の問題を混同しない
- 感情的に言い返さない
- 発言を間に受けずに聞き流す
- 主観を入れずに言動を記録する
- 自分と子どもの未来を考える
自己愛人間を変えようとするほど不毛なことはありません。
「きっとまた笑い合える」という認識を捨てて初めて、現実的な対処が始まります。
まずはそう認識し、心に境界線を張ることが重要です。
また「俺を否定する者=敵」なので、感情的な反論は逆効果。
揚げ足を取られるので、精神消耗するだけです。
理不尽な発言には「あなたはそう思うんだね」と間に受けず聞き流します。
何か質問されても、「気のせいじゃない?そんなつもりで言っていないけどな」と、シタのようにとぼければ大丈夫。
卑怯者には真面目に受け答えする必要ありませんから。
毎日シタの言動を記録しましょう。
ボイレコもあると良いですが、実際に書いて記録することで、客観的にシタの愚かさを認識しやすくなります。
この記事で紹介した攻撃手口と照らし合わせながら、「これは被害者ぶってるな。私のせいにしたいだけだ」など、攻撃の意図を考えながら記録すると良いでしょう。
決して自分の反省点など、主観を入れてはいけません。
そして何より「自分や子どもにとって何が本当に正解か」考えることを放棄してはいけません。
夫との未来を願う気持ちは痛いほどわかります。私もそうでした。そして搾取され続けました。
子どもとの未来を願うからこそ、妄想世界から抜け出すことは必要です。
現実から目を背ければ、子どもやあなたの心、本当に大切なものを壊していく結果になりかねませんから。
まとめ
歪んだ自己愛を持つ人間が不倫をすると、自己正当化のため、サレ側を陰湿な方法で攻撃します。
その方法がカバートアグレッション。
- 魅力と優しさ
- 無口・見下し・威圧的
- 論点ズラし
- 絶妙に事実を歪曲
- 問題を「過剰反応」扱い
- 被害者ヅラ
- 罪悪感の植え付け
- 責任転嫁
- 偽物の愛と未来
- 利益の置き換え
- 編集された嘘
- 脅し
あなたの愛情や思いやりを利用し、責任の所在をあなたにすり替えます。
- 自分の愚かさを隠すため
- 自分の利益を守るため
- 自分の立場を守るため
決して、自分に問題があると思ってはいけません。
そう思わせてこちらを弱らせることが、シタ夫の戦略だよね。
「家族のために」「子どものために」
その自己犠牲の先に何があるでしょうか。
これ以上、シタ夫にコントロールされてはいけません。
本当に大事なものを守るには、搾取状態からまず抜けること。
あなたの心を守ることが最優先。
その先に、本当の未来があるはずです。
搾取されるな