シンママは問題ある人という目で見られない?偏見を受けるくらいなら、離婚しない方が良いのかな。
離婚を考えたとき、頭によぎるのが、シングルマザーに対しての世間の目。
その偏見に怯え、離婚の決心が揺らぐ方も多いでしょう。
私も「離婚=問題ある人」というレッテルに怯え、離婚がとても怖かったです。
ひとりで子育てするだけでも不安。
そんな中、自分だけでなく子どもまでも、偏見の対象で見られたらとても耐えきれませんよね。
筆者自身、5年半シングルマザー経験があり、現在は夫婦心理カウンセラーをしています。
幸いにも、偏見で嫌な思いをしたことはほぼありませんでした。
- シンママに偏見もつ人がいるのは事実
- シンママに偏見ない人がいるのも事実
- 偏見を持たれにくい人には特徴がある
これが結論です。
私が偏見を受けなかったのには、理由があると感じています。
この記事では、筆者の体験もふまえながら、偏見の実態と対処法をお伝えします。
偏見は誰でも怖いもの。しかし偏見のない世界は、これからの自分次第でちゃんと作れるんですよ。
シングルマザーへの偏見の実態
シングルマザーは、今では珍しいものではありません。
しかし「離婚した人」「シングル家庭」というものに、いまだ偏見を抱く人がいるのも現実です。
よくある偏見は次の5つ。
偏見1:離婚する人は性格に難あり
「離婚した人=問題がある人」とレッテルを貼る人がいます。
離婚の原因なんて、周りにはわかりません。
元夫の不倫やDV、モラハラであったとしても、他人には関係のない話。
なので、「離婚するような人はきっと性格に問題があるのだろう」と思われがちです。
そんなの悔しすぎるよ。
私の職場の上司に、離婚経験者がいました。
仕事に厳しい上司。裏でその上司の言動を取り上げ、「あぁだから離婚されるよね」という会話を耳にしたことがあります。
意識せずに、偏見してる人も多いです。
偏見発言する人たちは、それを偏見と思っていません。
他の人であればスルーされる言動が、「離婚者」というだけで性格に難ありと思われるのは、とても悲しく悔しい現実です。
偏見2:シングル家庭には問題がある
- シングル家庭は普通と違う
- ちゃんと子育てできているのか
- 子どもの素行が悪そう
そう感じる人もいます。
職場の同僚の結婚相手は、母子家庭育ちでした。
他の同僚は裏で、「◯◯さんの結婚相手、母子家庭らしいよ。よく親も認めたね」と言っていました。
母子家庭で立派に子どもを育てた母親に、私なら拍手喝采したいくらい。
ですが同僚の発言は「母子家庭=問題」との認識から出たものでしょう。
他にも、子どもが学校でトラブルを起こしたとき「あそこのお家、片親だもんね」と噂されることも。
他の子でも起こすような問題を、シングル家庭だからと理由づけられるのは残念でなりません。
離婚は親の責任。子どもにまで偏見が及ぶのはいたたまれない…
偏見3:シングル家庭の子どもはかわいそう
- 両親いない子はかわいそう
- 貧しいんでしょ?かわいそう
- 親の勝手に振り回されてかわいそう
子どもを勝手にかわいそう扱いをする人もいます。
実際には、両親がそろっていても仮面夫婦で会話のない家庭も多くあります。
両親に笑顔がなく、親の愛を感じられずに育つ子も。
そんな家庭より、片親でもたくさん愛を受けながら育てることはできます。
しかし片親というものが少数派かつ、表向きわかりやすいゆえに、「かわいそうな子」と決めつける人もいるのが現実です。
子どもの笑顔を守るために、離婚を選択する人もいるのにね。
偏見4:シンママは自己主張が激しい
- シンママで大変だからって仕事適当だよね
- シンママだから役員やらないって卑怯
- 我が強いから離婚したのでは?
シングルマザーを理由に物事から逃げる姿勢は、非難されて当然です。一部のシングルマザーには、自分の都合ばかり主張する人もいるでしょう。
しかしほとんどのシングルマザーは、仕事と家庭を一馬力で必死に両立させています。
全力でやりたくても、現実問題できないことも多いです。
そこに葛藤しているのは、誰よりもシングルマザー本人。
一部の怠惰なシングルマザーのせいで「シングルマザーは我が強い」と思われるのは辛いね。
偏見5:シンママは男性依存している
「シングルマザーは恋愛すべきでない」という人がいます。
- 子どもより男ありきの人間
- 母親失格
- 経済的援助のために男を探している
確かに、再婚した父親の虐待などが、時折ニュースになります。
子どもの心より、男女関係を重視する母親もいるのが現実。
そのような人間は、恋愛すべきでないと私も強く思います。
私の知人のシングルマザーは、子ども5歳で再婚。
家族3人でいるとき、その子どもはいきいきとした笑顔をしています。
私も、娘6歳で再婚しました。
今家族3人、純粋に笑って暮らしています。
子どもの無邪気な笑顔、心に流れる暖かな感覚。不倫渦中にいたころは、こんな未来想像もできませんでした。
子ありの再婚は、確かに課題は多いです。
しかしそれ以上に、話し合いを重ね、乗り越えて家族になる人たちもいるのです。
「シングルマザーの恋愛=悪」と一概には言えないね。
- 両親そろっていても、子どもを傷つける親はいる
- 本当の親でなくても、家族を大事にする親もいる
他人が決めつけることではありません。
シンママ歴5年半、偏見の実感はほぼなし
偏見の対象で見られやすいシングルマザー。
実際私は、娘が1歳のころから5年半シングルマザーでした。
体感としては、偏見を感じたことはほとんどありません。
驚くほど、ないのです。
ただ、保育園の行事で父親がいないことに、他人の目が多少気になることはありました。
しかし、仲の良い一部のママさんに片親であることを告げた際、「全然気づかなかった!」と言われただけ。
そのママさんや他のママさんからも、それまでと全く変わらない扱いです。
再婚の際、夫の家族に「子どもいて大丈夫なの?」と心配されたことも。
「子どもいるとそりゃ嫌だよね…」と落ち込みました。
しかし、娘も含め何度か交流を図るうち、「自分たちが決めたことならしっかりやっていきなさい」と応援してくれるように。
今では、他の孫・親族と同じように、私と娘を受け入れてくれています。
シングルマザーゆえに悩むことは、確かにあります。
しかしそれ以上に、「人の温かさに支えられながら5年半過ごせていた」というのが、正直な感想。
「これだから片親は」と私も娘も非難されたくない!
その一心で一生懸命仕事をしていたとき、職場の同僚に言われました。
何があったか知らないけど、どうせ元旦那が何かしたんでしょ?ラーコさん見てればわかるよ。あなたは堂々と生きれば良い。
勤務中、涙をこらえるのに必死でした。
そして、肩の力が少し抜けたのを覚えています。
「その人自身が問題で離婚したわけじゃない」
それを理解している人は多いのです。
シングルマザーに偏見を持っていたのは自分自身
離婚するとき、とても他人の目に怯えていました。
子どもをひとりで育てていく。それだけで十分怖いことです。
育児の悩みを共有できるパートナーがいないことも、孤独に感じるもの。
そんな中、
- 周囲からシングル批判をされたら…
- 子どもまで批判の対象になったら…
と考えると、怖くないはずがありません。
離婚さえしなければ、私は普通のママでいられる。外からは家庭問題なんてわからない。子どもにも「両親揃った当たり前の子」でいさせてあげられる。
でも現状は家族に無関心で不倫三昧の夫。笑顔で愛のある家庭を築くなんて不可能。私は笑えない。子どもが愛を感じず育ってしまうのはもっといけない…。
すごく悩みました。
当時、母子家庭育ちの友人に言われた言葉があります。
他人はそこまで他人に興味ないよ。離婚だって今は特別なことじゃない。特別だと思ってるのは、ラーコ自身じゃない?
母子家庭だからって、バカにされたことなんてないよ。他の子と違うとも感じてなかった。自分を理由に離婚を思いとどまられる方が、よっぽど迷惑だよ。
ハッとしました。
シングルマザーに偏見を持っていたのは、他の誰でもなく私自身だ。私は「他人と違う状態」が怖いだけだ。
それを理由に、未来のない家庭にすがり続け、子どもの笑顔を奪っちゃいけない。大事なのは、笑顔ある家庭にすること。
正解はこれから自分でつくれば良い。
離婚の覚悟ができたのです。
シングルマザーへの偏見の対処法
いざシングルの決意をしても、偏見で子どもが傷つけられることは一番避けないといけません。
シングルマザーを盾に自分本位な生き方をすれば、非難されて当然です。
では、偏見を受けにくくする方法はあるのでしょうか?
対処法1:シンママを言い訳にしない
言い訳ばかりで物事に向き合わない人間は、周りに受け入れられません。
仕事と育児を両立するのは、想像以上に大変。
しかし、手を抜く姿勢は他者に伝わるものです。
私は子ども1歳のとき、育休から復帰しました。
復帰するときはすでにシングル。職場は知らない人だらけ。
偏見を受けないか、ビクビクしながら復帰しました。
当時、自分の中で決めたことがあります。
「育児が大変でも、仕事は妥協しない」
ただでさえ偏見の対象になりやすい、シングルマザー。
仕事で人一倍努力することが、周囲から認めてもらう手段と考えました。
努力する人を、人は否定しにくいもの。
自分への偏見をなくせば、子どもに対しても偏見が向けられることもありません。
そればかりか、頑張る姿勢には味方がつきます。
その姿勢が、子どもを守ることにもつながるのです。
対処法2:子どもと笑う時間を大切にする
育休復帰するとき、もうひとつ決めたことがあります。
「仕事が忙しくても、子どもを悲しませて良い理由にはならない」
仕事がハードだと、子どもと向き合う時間を忘れがちです。
しかしそれでは、「自分は大事じゃないんだ」と子どもを悲しませる結果に。
子どもの笑顔を守るための離婚が、泣かせる結果になっては本末転倒だよね。
子どもからしたら、離婚は親のエゴ。
いくら子どもを守る選択だったとしても。
実際、フルタイム労働&ワンオペ家事育児で、物理的に子どもと向き合う時間は限られます。
だからこそ、毎日短時間であっても、意識的に一緒に笑い合う時間を大切にしてきました。
シングル家庭の子の中には、寂しさから問題行動を起こすことがあります。
すると子どもも家庭も偏見の対象に。
結果、子どもを偏見から守ることなるのです。
対処法3:他人の幸せを喜び、痛みに寄り添う
結婚がうまくいかないと、他人が羨ましく思うことがあります。
私も、元夫の妊娠中からの不倫が、深い傷でした。
- 妊娠中の妻を大切にする男性
- 両親に愛されている子ども
- 仲良しそうな家族
それらを見るたび、「自分にはなんで普通すらないんだろう」と、黒い感情になることが何度かありました。どうせ自分なんて…と。
しかし、他人の幸せを妬む人間が、他人から大切にされるわけがありません。
他人の幸せを一緒に喜べる人間は、自ずと他人から大切にされます。
自分と関わる人たちの幸せは、一緒に喜びました。逆に、自身も経験したからこそ、人の心の痛みも理解できました。
離婚後は周りが羨ましく感じた私。
しかし人の気持ちに寄り添ううち、大切な人も増え、羨む気持ちは次第に薄れていきました。
そんな人間は、偏見とは無縁です。
対処法4:弱音を吐く自分を受け入れる
笑顔の人を、人は嫌いになれません。
にこやかで喋りやすい女性に、偏見を持つことの方が難しいでしょう。
でも無理して笑顔をつくるのは、心が疲れちゃうよ。
確かに笑顔で生きるのは、簡単なようで難しいもの。
ただでさえ、離婚で痛みを背負った状態。外でも家でも全力で、弱音を吐きたくても常に笑顔では、心が壊れてしまいますよね。
全員に無理して笑顔をつくる必要はありません。
弱音をさらけ出すことも大切です。
私も表向きは、笑顔で過ごすようにしていました。ただ、どうしようもなく感情が不安定になるときもあります。
- 忙しさに発狂しそうになったり
- 孤独感に押しつぶされそうになったり
- 子どもに向き合えていない自分に自己嫌悪したり
そんなとき、友人や職場の同僚などに弱音を吐くことが何度かありました。
愚痴ると、人が離れない?
大丈夫。弱音を吐いた先に、またひたむきな姿勢があれば、人は簡単に離れないよ。
むしろ、応援されます。
完璧な人間なんていない。
だから、弱音だって吐いて良いんです。
対処法5:偏見には耳をふさぐ
人を大切にしながら目の前のことを頑張る人間に、偏見を持つ人はいないはず。
しかし中には、あなたの姿勢とはお構いなしに、非難してくる人がいるかもしれません。
シングルマザーを理由に非難する人は、無視でOK。
必死で戦うあなたに、他人がとやかく言う権利はありません。
それは単なるその人の尺度。それか、ただ文句を言いたいだけ。そんな人に、あなたと子どもの幸せを潰されるなんて、あってはなりません。
それでも否定されると、心が折れそう…
大丈夫です。
見ている人は見ています。子どももちゃんと見ています。
そしてそんな自分自身を、あなたが褒めてあげればいい。
子どもにも仕事にも全力で向き合うあなたは、自分自身の人生に責任持ってるのと同じこと。胸張って生きればいいんです。
まとめ|偏見は怖くない。自分で自分を認めてあげればいい
- 離婚する人は性格に難あり
- シングル家庭には問題がある
- シングル家庭の子どもはかわいそう
- シンママは自己主張が激しい
- シンママは男性依存している
偏見は誰しも怖いもの。子どもがいるならなおさらのこと。
しかし、世間体を理由に適切な選択ができないことの方が問題です。
他人はあなたが思うほど、他人に興味がありません。
ただ、ひたむきに生きる人間には仲間ができます。むしろ他人のせいばかりにして生きる人間よりも、輝いて見えます。そこにシングルがどうなんて関係ありません。
偏見を受けにくくするには
- シングルマザーを言い訳にしない
- 子どもと笑う時間を大切にする
- 他人の幸せを喜び、痛みに寄り添う
- 弱音を吐く自分を受け入れる
- 偏見には耳をふさぐ
「元夫が悪い!」は、周りには関係ない話。
自分自身が認めてもらえる人間になるしかないよね。
そう。そのためには、自分で自分を認められるように精一杯やるんだよ。
状況を言い訳にしているうちは、勝手に幸せに転がることはありえません。
選んだ道を正解にするも不正解にするも、これからの自分次第です。
「必ず正解にするんだ」と全力で取り組むことの連続。そうすればあなたの選択はいつの間にか、自ずと正解になってるはず。
自分の人生に責任を持てる人には、必ず未来があるんです。
自分で作る!